□□□(クチロロ)のアルバム「CD」を買った。

CD

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相変わらずヘンテコな音、でも一貫してポップス。
一曲目「はじまり」は音としての素材のみを順番に出していくと次第に音楽の体になっていく、というなかなか感動的な曲。
一曲目に限らず、全曲が公式サイトで視聴できるのだが、その視聴したメロディに行き着くまでが面白い。全曲試聴はネタバレになるからなあ、と思っていたが、綺麗に裏をつかれた感じ。

テーマが「文字と言葉」ということで、歌詞の形式もポエトリーリーディングや独り言や顔文字や絵文字や、色々。そして全曲において一貫性がない。歌詞についても、曲調についても。

先行してPVが発表された「あたらしいたましい」はエレクトロな歌モノだった。

男女パートで異なる歌を重ね合わせると言葉になる、という勘合貿易的なギミックを使った歌詞もそういう流れの一環で、面白いことするなあ。

個人的なベストトラックは二曲目「1234」かな。四人のボーカルパートの歌詞が独立しているような、関連しているような、微妙な間合い。ゲストボーカルの内田慈氏の声がちょっとだけエロス。感傷的な言葉とコミカルな言葉が行き交う歌詞によって気持ちいい後味を残す曲。素晴らしい。

アルバム全体の長さも43分ということで、手軽に何度も聴き続けれる、期待を裏切らない作品だった。


まあ、「はじまり」の音の感じがもろコーネリアスっぽい感じだったり、「恋はリズムに乗って」はピチカートファイヴっぽかったり、「ヵゝヵゞゐ。」はZAZENとphew混ぜた用な感じだったり、と前作に比べると目新しさなどのインパクトは少なめかな、と思う。でも期待を裏切ることはない内容、とフォロー。いいアルバムだった。