シュタインズ・ゲート 比翼恋理のだーりんをやり終えた。

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(通常版) - Xbox360

STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん(通常版) - Xbox360

この原作ゲーム、シュタインズ・ゲートは傑作で普段ギャルゲ(ノベルゲー)をやらない人にでも絶対におすすめ出来るほどのストーリーラインだったのだが、今回のゲームを楽しめる客層はラノベを楽しめる人たちかな、と。

心理描写が足りない。行動が短絡的。意味不明のストーリー。
というのをやってて感じたが、これってたまに読むラノベで感じることだなあ、と。


以下、ネタバレ。とはいえ、人におすすめ出来ないゲームだったので隠さない。


ひょんなことから主人公とヒロインに手錠をかけられてしまい、共同生活を過ごす羽目になる、というルート。あるガジェットを追い求めるストーリーだが、そのガジェットの存在意義が意味不明。主人公がダルに作らせるのだが、その作らせる理由が「なんとなく」というだけ。突発的に、何に使うかもわからないものが後々問題になったとしても、なんだかなあ。途中に出てくる新ガジェットが良いだけに、これ使ってもっと面白いラブコメ作れるだろ!と思えて仕方ない。オチも酷い。


無口なオンナノコの心を開くルート。これは普通。原作で悪役だった女性のキャラクターの見方が変わる、というだけで十分有意義な話だった。


メイドカフェを舞台に奮闘する話。起承転、までは愉快で非常に面白いが、結が手抜きでなんか萎える。悪役を成敗するのに、相手のパソコンをハッキングして裏帳簿を見つける、というオチは駄目だろ。それまでみんなで奮闘した日々は無意味か?裏帳簿の説明もなんかテキトーだしなあ。
そしてなにより、ラブでコメらない。ふざけてんのか。原作のこのヒロインルートのほうが何倍もラブな話だったわ。


男の娘ルート。Dメールを送ったが股間のブツは無くならないまま彼とラブる話。
なかなか思い切った設定だな、と思ったがそのまま彼を女性のように扱って終わり、っておい。同性愛についてほとんど何も考えずに終わるって何だ。深く掘り下げる必要はないにしても、ごくごく自然に流れでくっつく、っていうのは無しだろ。唯一触れられる瞬間は「わたしの国じゃたまに見かけるわよ」のみって。


未来人が父親の人物関係を変えてしまい、このままでは自分が生まれなくなる、母親とくっつけねばと奮闘する話。冒頭から「なんかの映画で見たような話だな」というセリフもあるように、BTTFのパロディに終始する話だが、プレイ時間は映画と同等のくせに中身はカサ増ししていないので恐ろしく薄味な話。更に元ネタから音楽と演技を抜いちゃったもんだからさあ大変。糞としかいいようのない話だ。父親と母親の根回しって出合わせるだけでいいの?一目惚れって言っても童貞がするのと彼女もちがするのじゃ意味違うだろ。
そのくせ最後の「TO BE CONTINUED」の辺りまでパロってきて最後で癪に障る。


ずっとそばにいると思っていた相手が引越ししてしまう、という話。これは良かった。ベタだけど。なんか漫画や小説やアニメで何回も読んだような話だけど。セクハラをされても気づかずに言ってしまうようなマイペースで抜けている彼女がキョドって混乱してしまうシーンは可愛い。かなり可愛い。


という、一勝二分三敗なストーリーだった。
総プレイ時間は実績コンプで16時間。
よっぽどお熱をあげているファンならおすすめ。
それ以外はやめといたほうがいい。

劇場版神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まない を見てきた。

基本的な内容は、予告編で予想出来る通り。
なんか微妙な出来臭いぞ、と予告編から感じ取った人はなかなかいい勘してると思います。


ストーリーは穴だらけ。意味不明な場面や流れ、リアリティを感じない箇所が多い。
役者の演技だって上手いとはいえず、一般的にいって並以下な方が大半を占める。
カメラだってサイタマノラッパーに毛が生えた程度、プロらしくは断じてない。
観客はそんな内容に親近感を覚えるわけもなく、ある一点を除いては共感することなく話が終わる。


ある一点だけ、その点だけは登場人物達と同じ感情を抱いた。
それは、「クソッタレな気持ち」。
クソッタレな状況クソッタレな野郎クソッタレなルールクソッタレな命令。
クソッタレな音楽。
正論では到底勝ち目ない相手で復讐なんて出来っこないしもうーーーーイライラする、その感情を観客に共感させること、それだけは完璧に出来ていたと思う。


それはかまってちゃんの音楽性、非リア充やネクラな雰囲気からのパンクロックという表現と合致していて、その積み重ねとシンクロして最後のライブシーンによって解放される、という感覚が素晴らしく気持ちいい。


もっとも、その音楽によってなにかが大きく変わるわけもなく、世界が平和になったり自分の人生が上向きになったりリア充になれたりする、そんな事は起こりえない。
でも、音楽で、何か小さなことでも大事なことへ、背中を押してくれるくらいの些細しかしゼロではない力が働くことはあるよね絶対。


だってそうだろ?いい加減クソッタレな中身だけど、音楽でこんなに奮い起こされるのだから!


そんな映画でした。
勿論、憤懣以外の感情を共感させない内容だということは計算済みだと思うし、全体に漂うシロート臭さというか駄目っぽさというか、所詮低予算のアマプロ映画だろ?と思わせながら終盤で脱ぐベール。この快感は相当な物。
サイタマノラッパーでは最後まで現実を突きつけて終わったが、この映画では最後の最後で派手でフィクショナルな演出が起こる。それは普通の映画からしたらショボくて盛り上がるレベルのものじゃないんだけど、この映画の流れからでは絶頂感の付加に強い一撃を与えられている。すげーかっけーよ!


つまりなんだ、傑作ですよ。


「人生応援ソングってどう思いますか?」の会話がサイコーだった。
彼氏のクズっぷりもサイコー。
PTAのあのウザさ。
武力で論に従わせようとするオヤジ。
合コンのチャラさ。

不快にさせるポイントだけは真芯で打ってくるあたり格好良すぎです。


あと、あるてぃめっとレイザー!かっけー!

□□□(クチロロ)のアルバム「CD」を買った。

CD

CD

相変わらずヘンテコな音、でも一貫してポップス。
一曲目「はじまり」は音としての素材のみを順番に出していくと次第に音楽の体になっていく、というなかなか感動的な曲。
一曲目に限らず、全曲が公式サイトで視聴できるのだが、その視聴したメロディに行き着くまでが面白い。全曲試聴はネタバレになるからなあ、と思っていたが、綺麗に裏をつかれた感じ。

テーマが「文字と言葉」ということで、歌詞の形式もポエトリーリーディングや独り言や顔文字や絵文字や、色々。そして全曲において一貫性がない。歌詞についても、曲調についても。

先行してPVが発表された「あたらしいたましい」はエレクトロな歌モノだった。

男女パートで異なる歌を重ね合わせると言葉になる、という勘合貿易的なギミックを使った歌詞もそういう流れの一環で、面白いことするなあ。

個人的なベストトラックは二曲目「1234」かな。四人のボーカルパートの歌詞が独立しているような、関連しているような、微妙な間合い。ゲストボーカルの内田慈氏の声がちょっとだけエロス。感傷的な言葉とコミカルな言葉が行き交う歌詞によって気持ちいい後味を残す曲。素晴らしい。

アルバム全体の長さも43分ということで、手軽に何度も聴き続けれる、期待を裏切らない作品だった。


まあ、「はじまり」の音の感じがもろコーネリアスっぽい感じだったり、「恋はリズムに乗って」はピチカートファイヴっぽかったり、「ヵゝヵゞゐ。」はZAZENとphew混ぜた用な感じだったり、と前作に比べると目新しさなどのインパクトは少なめかな、と思う。でも期待を裏切ることはない内容、とフォロー。いいアルバムだった。

インセプション見た。
【ワーナー公式】映画(ブルーレイ,DVD & 4K UHD/デジタル配信)|インセプション
面白いアイデアの内容と十分すぎる予算を持った映画は無難に凄く面白い。
二時間半をずっと集中して見ていられる、というか集中させられる映画。
特に頭一時間をストーリー設定の説明に使うのだが、そこでの半端ない映像美と魅力的な設定群にどこまでもワクワクした。テンションもそこが最高潮だったな。


公開終了ぎりぎり劇場で見ることが出来たのだが、見れた意義はあった。
なによりも音響。観客を不安にさせる重低音がそれのみを爆音で流すのだが、その音量は劇場が震えているのが分かるくらい大きく低い音で、あの印象を持たせられる音が聞けるのは劇場ならでは、かなと。


ストーリー後半は物語進行と同時に伏線回収をやっていくのだが、そこで設定の粗がいくつか気になって少し集中力を奪われる。でも派手な映像とてんやわんやの場面が続き、そんなことはどうでもいいんだよと言われてるような気持ちになる。


終わった人とは劇中で出てきた単語を用いて話したくなる映画で、エンターテイメントとしてかなり楽しかった。