攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven [DVD]

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Individual Eleven [DVD]

想像以上に、というかかなり面白い。単巻ずつでは楽しめて無かっただけに、余計に。
内容は、シリーズ物として全二十六話のストーリーだった攻殻テレビシリーズを二時間半に凝縮した中身。
まずOPから格好良い。追加シーンの殆どはこの場面かな、と思うほど。Amazonレビューにあったけども、イノセンスよりコレを劇場公開すべきだった、ってのは同意かも。映像美では比じゃないが。シナリオとしては、適度な押井色に染まってて、「軍事」「思想」「革命」という自称が複雑に絡みあってる。特に「思想」が非常に重要なウェイトを占めてるけども、その点が以前のより説明口調になってて(以前のは続けて見てない、ってのもあると思うけど)理解し易く、攻殻独特の濃いなぁと思わせる台詞連続で、気持ち良い。
音楽も素晴らしいが、最後の曲はいかにもbjorkチック杉。origaの声質がbjorkと酷似してるのも有るが、曲調がいかにもbjorkっぽいのを歌わせるのは、頂けないと。
ゴーダの名セリフ「最後の発動因子?童貞かな。」もキッチリ収録されてて満足。
ただ真面目に聞いて真剣に理解しようとはしてたんだけども理解できないことが少なからず現れるのはいつも通り。「その名セリフを聞いたバトーが憤怒したのは何故?」「イシカワに渡ったプルトニウムの使用用途とは?」「クゼ、茅葺総理の望む思想、もしくは未来像とは?」「最後に皆が「お前!」と言ったあの眼鏡親父は何者?」とか理解不十分な点もちらほら、と有ったが、寧ろ有ってこそ、攻殻。前二者は詳しいファンが教えてくれたけど。
ただ、やっぱり内容は一作目「笑い男事件」の方が好みだなぁ。大分評価が上がったとはいえ。前回の方が解り易い面白さだったというか、エンターテイメントに徹してたというか。攻殻の土台「ネット」もコレより効果的に、トリックの根本土台として使ってたから、そっちの方が攻殻っぽく見える、とも思える。
なんであれ、コレも面白い。Solid State Societyも楽しみ。